愛情を感じられる空間を

2024.04.15

 ご入園、ご進級おめでとうございます。
教職員一同、子どもたち一人ひとりに「あたたかなまなざし」を注いでキリスト教主義教育・保育をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 毎月お届けする、「あたたかなまなざしを」では、幼児期の教育・保育に何が大切であるのか、子どもの育ちについて、幼稚園での生活の様子などをご一緒に考えていきたいと思います。
 一年間、ご笑読いただけると幸いです。

 園庭の木々が新しい芽をふき、寒い冬の間土の中や落ち葉の中でじっとしていた小動物が動き出し、自然界のいのちがよみがえる春、社会生活の第一歩を踏み出す入園、新たな生活が始まる進級の時となりました。

 皆さんは春の訪れをどのように感じられますか?
 僕は、ウグイスの鳴き声が徐々に上手になっていく様子、クリスマスローズの花、日の出が少しずつ早くなること、豆ごはん・菜の花のお浸し・ヨモギの天ぷらをいただく時、また出勤時の空気感などから感じます。まさに五感を通して春を感じていきます。
 子どもたちが愛情を感じることも同じではないでしょうか。
 幼稚園生活の様々な場面で子どもたちが「愛されている自分」を感じてほしいと思います。
まずは、保育者のまなざし・笑顔、言葉がけ、いつもそばにいて見守ってくれる保育者の存在、幼稚園の雰囲気などからでしょう。また、シールのついたロッカー・タオル掛けなどから家庭のほかに自分自身の場を持てたことを意識し「愛された自分」を感じるでしょう。
 そして、最初はうまくいきませんが、園でのいろいろな生活の仕方(朝の身支度、お手洗い、上靴・外靴の履き替え、椅子をサークル状に並べてお話を聞いたり・歌をうたったり・絵本をみたりなど)を子ども自身がいろいろなことにぶつかりながら、繰り返しくりかえし時間をかけて身につけていきます。そのことが、子どもが自分自身で出来る喜びを経験し、そして自分で好きな遊びを見つけて遊び、自分の考えで行動できるようになるのです。それが自信となりさらに何でもやってみたいという意欲が生まれてくるのです。「わたし」が「わたし」になっていく自立、自律する心が育っていきます。そのような経験を通して「愛されている自分」を感じていくでしょう。
 お弁当が始まると、保護者の作ってくださったお弁当からも「愛されている自分」を感じるでしょう。子どもを育てること、また子どもが育つということは、保護者の方と保育者が共に心を合わせて、子どもたちに何が必要なのかを学び合っていくことだと思います。
 子どもたちが「愛されている自分」を感じ、安心して生活できるように、幼稚園が愛情の感じられる空間になるように、一人ひとりの大人が意識していきたいですね。あたたかな雰囲気の中で、愛されていることを感じとれる「まなざし」、「子どもへのかかわり」を大切に日々祈りつつ、子どもたちが豊かに育つような保育を行っていきたいと思います。

F I 赤木 敏之