心に残る「うた」

2024.02.02


 先日、妻と娘がビリー・ジョエルのコンサートに行きました。さんびかと洋楽を子守唄に育った娘も大人になり、いつしか妻と同じビリー・ジョエルの大ファンになりました。コンサートを終えて、二人は素晴らしい音楽に出会えたこと、会場で皆と歌えた喜びに感謝したいと話していました。

本園では、実に様々な「うた」を歌います。他園に比べても「うた」に出会い、歌う機会は多いのではないでしょうか。さんびか、リズミカルなうた、元気なうた、歌詞の意味を考えながら歌ううた、わらべうた、手遊びのうた等々。豊かな「うた」の経験をしています。
 子どもたちが「うた」を歌っている時は楽しく嬉しい表情をしています。実に素直で自由な表情をしています。
歌詞を思い浮かべ自分なりにイメージしながら、歌うことによって、子どもたちは楽しさを自然に感じ取っていくのです。豊かな「うた」を歌う経験が音に対する鋭い感覚・感性を育て、「うた」を歌う経験を通して自己表現する楽しさや喜びや満足感を味わうことができるでしょう。「うた」を歌うことは、感覚・感性を育てるだけではなく、精神的な面でも影響します。緊張や不安からの解放感・安心感・快感が与えられます。

歌うことの楽しさ、喜びを十分に味わう経験を幼児期に豊かに持つことが大切です。また、保育者、おうちの人など子どもたちの周りにいる大人たちが、園生活、家庭での生活の中で「うた」を歌っている姿、「うた」を聴いている姿に子どもたちは大きく影響を受けて育っていくでしょう。
 多くの園児は、小学校に行くと、「さんびか」を歌う機会はなくなりますが、小学生になっても思い出したように「ぱらぱらおちる」「うみでおよぐ」「きゅうこんのなかから」などのさんびかを歌っていますと、卒園児の保護者から聞くことがあります。幼稚園で出会った「うた」、歌った「うた」は子どもたちの心に残っているのですね。それだけうたは、人の心に大きく響いています。

 子どもたちが日々歌っている「うた」に耳を傾け、あたたかなまなざしを注いでいきましょう。

アウトドア派園長・あかぎ としゆき