心をつなぐ優しさ
新しい年2024年を迎え、神さまの守りの中で健康を支えられ生活できることを感謝します。園児、ご家族の方、保育者一人ひとりが穏やかに過ごせるように、地域、日本、世界が穏やかで平和でありますように祈ります。そして、希望に満ちた有意義な一年になるように励みたいと思います。
1月1日に起きた『能登半島地震』、自宅でくつろいでいる時に揺れを感じました。「地震だ」、揺れがおさまるのを待ち、すぐにテレビをつけました。震度の大きさから、「大変なことになる」と思いました。
メディアからの状況を見聞きするたびに、本当に心が痛みます。特にこのような災害が起こった時には、赤ちゃん、幼児、ご老人の支援がどうしても後回しになってしまいがちです。ミルク、離乳食、介護食、おむつ……。被災された方々が一日も早く安心して安全な日常生活に戻れるように願います。神さまの守りと支えがありますように、お祈りします。映像を観て、不安に感じる子どもをしっかり抱きしめてください。
今回の地震で私たちには何ができるのでしょうか。今すぐにできること。近い将来にできること。時間が経過してから必要な支援…。ニーズも時間の経過とともに変わっていきます。阪神淡路大震災を経験した私が思うことは、何をすべきかを考えるとき、その中心はいかなる時も一人ひとりが他者のことを考えること、思いやり、つまり「優しさ」を持つことです。
能登半島地域で被災した人々への「優しさ」、今後関西地域に避難してきた人々と対応する時の「優しさ」、復興する人々に力になる「優しさ」…。「優しさ」は心をつなぎます。
「優しい」という字は、「人」の「憂い」を共感できる意味だと言われています。子どもたちが友だちを思う力、態度は周りの大人たちによって育まれ、学んでいきます。
転んで泣いていると「どうしたの。だいじょうぶ」と声をかける子ども。枯れた花を見て「かわいそう」とつぶやく子ども。
子どもたちは一人ひとり優しい心を持っており、その「優しい」という芽を幼児期の間に育てたいですね。
楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、つらいこと、びっくりしたことなどを友だちと共有し、そして、相手を思いやる子どもに育つためには、『共に』意識することが大切だと思います。
周りにいる大人が寄り添い、小さなことにも心を配り、子どもと共に、自分の喜びや悲しみなど、他者の喜びや悲しみなどを分かち合う経験をすることが大切でしょう。
あたたかな まなざしを注ぎ、子どもたち一人ひとりをありのままに受けとめ、話をしっかり聞き、共に遊び、温かい空間で生活することで思いやりや優しさは育っています。
今日から3学期です。子どもたち一人ひとりを笑顔で迎え入れ「あたたかな まなざしを」注ぎ、関わりたいと思います。
アウトドア派園長・あかぎ としゆき