創作的表現の子どものセンス

2023.03.28

 幼稚園での劇遊びからは、総合的な子どもたちの育ちが感じられました。
 表現に目を向けると、体を動かす表現、友だちとのやり取りの表現、言葉での表現、歌唱での表現、製作での表現・・・など、各々プロセスの中で表現を楽しんでいました。子どもたちの創造的な表現には本当に目を見張ります。創作的表現のセンスを感じました。

 子どもたちの「創造性」はどのように育っていくのでしょう。
 幼児期の子どもたちは、感動したことを素直に自由に表現します。音楽に合わせてリズムに乗り自然に手足が動いています。感じたことを率直に言葉で表現します。ですので、子どもが安心して、自信をもって表現できることが大切です。
 子どもたち自身が五感を通して経験すること、つまり、自分の目で見たり、耳で聞いたり、手で触ったり、口で味わったり、鼻で香りを嗅いだりして、発見し、考え、自分で創意工夫し、主体的に行動して、思いを表現できるような体験をすることが、創造性を育てるためには大切です。
 では、なぜ幼児期に「創造性」を育てることが大切なのでしょうか。
未来を生きていく子どもたちは、成長していく中で、文化を継承するだけではなく、新しい文化を創り出す力が必要になります。そして、時代の変化に適応できる力も必要になってきます。

 保育者の言葉で語られるお話、語る声は、子どもたちの心に響きます。幼児期の子どもたちは、お話の世界に創造の羽根を広げてイメージを広げます。子どもたちの感受性は素晴らしいです。
 例えば、「雪が解けるとどうなるの?」と尋ねると
 ・「あたたかくなる」「春が来る」と答えます。これは情緒の育ちです。言葉からイメージをふくらませているのです。ひろげているのです。
 ・「水になる」と答えます。これは知的な育ちです。知識ですね。

 創造力に富んだ豊かな情緒を育てることが幼児期には大切です。幼稚園の時代に情緒の豊かさが育成されることで、小学校からの学習、知性とのバランスがとれるようになるのです。

 「創造性」の育ちを育むために、幼稚園では「あたたかな まなざし」を注いで、一人ひとりの表現を、ゆっくり日々見守りたいと思います。

アウトドア派園長・あかぎ としゆき