脳を育てる

2017.06.01

 子どもたちは、今、園庭で五感を使って遊んでいます。ではなぜ、五感を使って遊ぶことが大切なのでしょうか?いろいろなポイントがありますが「脳を育てる」視点から考えてみましょう。

 脳は、大きく2つに分けられます。姿勢の維持、呼吸、睡眠、食欲、情動、自律神経などの働きの部分(脳の内側の部分)と記憶、思考、微細運動、知能、言語、情感などの働きの部分(脳の外側の部分)に分けられます。人間の脳は生まれた後につくられて(育てられて)いきます。そして、大切なことは、脳はつくられる順番があり、内側の脳から外側の脳の順番でつくられて(育てられて)いきます。その順番は逆転することはありません。
 内側の部分は、生きるために、生きていくために必要な働きです。乳幼児期には、この内側の部分の脳をしっかりと働くように育てることが大切です。
 内側の脳は「刺激」によって育てられます。脳に入る刺激は、五感からです。五感とは、目で見る視覚、耳で聞く聴覚、鼻で嗅ぐ嗅覚、舌で味わう味覚、肌で感じる触覚です。
 園庭の虫、レンガの下の虫を探す子どもたち。花びら、草の葉、クワの実などでいろいろな色の色水を作る子どもたち。
 風で揺れる新緑の葉の音、小鳥のさえずりを聴く子どもたち。
 ラベンダー、ペパーミント、アップルミント、オーデコロンミント、レモンバーム、ゼラニウムなどのハーブ、バラのにおいを楽しむ子どもたち。
 もうしばらくすると、クワ、カジイチゴ、ビワ、アンズ、スモモなどの実を味わうであろう子どもたち。
 砂、泥、ムクロジノの実で作った泡などの感触を楽しむ子どもたち。
 本当に五感をフルに使って遊んでいます。五感を使い遊ぶことで、たくさんの刺激が繰り返し入ることで、脳が育てられていますね。

 子どもたちが五感を使って遊ぶことを「あたたかなまなざしを」注ぎ、もちろん保育者も五感を使って共に遊び、支えたいと思います。

アウトドア派園長・あかぎ としゆき