ラグビーワールドカップと本園の保育

2019.11.01

 先日、ラグビーワールドカップ準決勝の観戦に行ってきました。
 10月26日(土)イングランドVSニュージーランド 横浜国際総合競技場。
決戦の舞台の雰囲気を味わうべく、早めに新横浜へ。駅の改札を出ると、イングランドとニュージーランドの人で埋め尽くされており、会場までの道中で、もう応援の戦いは始まっていました。道を挟み片方はイングランド、もう片方はニュージーランドとビールを飲み盛り上がり、またお店でビール、ハイボールを一団で飲んで会場へ向かう人々等、異なる文化を体感しました。
 試合前に行われた、オールブラックス(ニュージーランド)の選手の「カパ・オ・パンゴ」をイングランドの選手はV字の陣形を作り対抗。会場の何ともいえない雰囲気に私も大興奮。サッカーと違い応援席がホーム、アウエーと分かれていない為、私の席の後ろはイングランド、少し離れたところにはニュージーランドの人々が応援していました。試合中は、応援するチームに一喜一憂する人々。しかしハーフタイムはみんなで『カントリーロード』の大合唱に。
 ノーサイドの笛。喜びと落胆が入り混じる観客席。しかし、しばらくしてオールブラックス(ニュージーランド)とイングランドの選手が、それぞれ会場を一周して挨拶に来られた時、観客の全員が敵・味方関係なく総立ちで選手に敬意を表し、拍手をしました。そして、「Na na na na na na na na na na na Hey Jude!」と大合唱。
 競技場から新横浜駅までの帰路、アイルランドのユニフォームを着ているグランドファーザーが「今日の試合は、ナイスゲームではなく、グレートゲームだと」。イングランドの人、ニュージーランドの人が一緒に歩く姿。南アフリカの人とニュージーランドの人が会話をする姿。イングランドの人と思われる方がイギリスポリスの服装で誘導する姿。様々な国と地域の人々が、日本の交通ルールを守って歩く姿。等々。
様々な国と地域の人々が、それぞれの文化、バックグウンドは違っていてもそれを受け止め、理解し、多文化共生の一つの姿を感じました。

 本園で大切にしているキーワードに『共に』があります。
子どもは、幼稚園で友だちと遊ぶなかで、自分と他者との違いを知っていきます。時にぶつかりあい、けんかや様々な葛藤を通して、考え、悩み、時間はかかりますが理解し合い、『共に生きる』ことを学んでいきます。互いを認め合い、力を合わせることの楽しさ、喜びを味わうまでの『プロセス』を大切にしていきます。それぞれの違いを受け止めること。そして、多様性を理解し、共に歩んでいくことが大切ですね。

 ラグビーと幼稚園での生活ではフィールドが違いますが、ワールドカップで感じたことと幼稚園生活で大切にしたいことは同じだなと、今日の一日の出会いと出来事に感謝し、まだ準決勝の試合の興奮が冷めない中、帰路の新幹線で改めて思う私でした。

アウトドア派園長・あかぎ としゆき