自律神経について

2021.10.01

自律神経機能を育てる

 自律神経という言葉を耳にしたことがあると思います。自律神経は、簡単に言えばからだの調子を整えるために自律的、無意識的な働きです。緊張しているときに働く「交感神経」とリラックスしているときに働く「副交感神経」の働きによって、からだの諸機能をコントロールしています。
 身体を動かして遊んでいるときは、交感神経の働きが活発になり、血圧が上昇し、体温が上昇しすぎないように汗が出ます。寝ているときは副交感神経の働きによって、消耗したからだの諸機能の回復を図る為、血圧は低下し、瞳孔も小さくなります。
 この自律神経機能は幼少期に育てることが大切だといわれています。

 では、どのようにすれば、自律神経機能が育つのでしょう。
 一つとして、薄着をおすすめします。
 本来人間は、外界の気温を手や足の表面が感知して、自然に体温を調整しています。つまり、オートマチックに暑い時には熱を外に出して体温を下げ、寒い時には熱の放出を抑えて体温を保とうとします。体温調節のメカニズムです。血管の収縮・拡張機能を育てることが大切なので、このような経験は、自律神経のバランスが発達することからも、幼少期に経験しておくことが重要だと言われています。
 少し涼しくなってきた初秋から中秋の移行期に、長袖を着ることは、体温調節のメカニズムから考えると、外界の温度(気温)をキャッチする部分を覆うことになります。覆ってしまうと、人間本来の適応と機能が働きにくくなるのです。

 涼しい時、寒い時、体温を維持しないといけない部分は体幹です。体幹部分が冷えないように衣服で覆うことが重要なのです。薄着(半袖)で過ごすことは、免疫系を刺激し、風邪をひきにくくする効果があるとも言われています。
 日中、子どもたちは園庭で遊びます。気温が上がることがありますので、長袖だと汗をかきます。登園時に涼しい場合は、半袖の上に薄手の長袖シャツを羽織り、幼稚園での活動中は半袖で過ごせるようにしてみましょう。

 新型コロナウイルス感染症予防の視点、そして適応力、体感温度、体調には個人差があることに、十分に気をつける必要があります。
 体調を崩している時は別として、涼しくなる今の時期、元気な時は少しずつ、血管の収縮・拡張機能を育てていく着方を試してみてはいかがでしょうか。
 今年も私はできるだけ半袖で頑張ります。

アウトドア派園長・あかぎ としゆき