~絵本の裏表紙~

2026.05.12

~絵本の裏表紙~

4月に発刊された月刊誌の「まゆとてんぐ」(福音館書店)をテーブルに見つけた次女が「まゆだ!うりんこはいる?」と懐かしそうに絵本を手に取り尋ねてきました。幼い頃は「まゆシリーズ」が好きで、親子で何度も繰り返し読んだものでした。長女は「やまんばは、どんな料理作るの?」と、お母さんのやまんばが作る料理のシーンが心に残っているようでした。そして、「まゆは大きくなった?」「お母さんのやまんばは、どう?」と、シリーズが進むにつれて、少しずつまゆと母親のやまんばの「絵」から受ける印象、「絵」の表現の変化に気付いていたようです。同じシリーズの絵本でも、子どもによって感じ方は違うところが面白いです。

絵本の世界には、不思議な出来事やワクワクする冒険、ドキドキする少し怖いこと、憧れることなどたくさん詰まっているので、子どもたちはページが開くのを楽しみにしています。私たち大人も子どもと一緒に絵本の世界に入りたいですね。

子どもは絵本の「絵」と語られる「言葉」からからお話を感じていきます。しかし、大人は先に目から入ってくる「活字」でお話を理解し、「絵」から感じることが後からになるのではないでしょうか。「活字」を声を出さずに目で追い読むことは、声に出してお話を聞くことに比べて、様々なものが切り捨てられているように思います。ぜひ、絵本を読んであげることを大切にしてほしいです。

お母さん、お父さん、おばあちゃん、おじいちゃんが絵本を読んであげる時、子どもは「絵」からお話をイメージします。また、大人(読む人)が読む、聴こえる声を通して、大人(読む人)の声の抑揚や表情、雰囲気、そして言葉のリズムから心が揺さぶられます。繰り返しのことば、唱え文句など耳で聞いて心地よく、印象に残る部分などの言葉のリズムにより、イメージを広げていくでしょう。

 絵本の世界は、おもて表紙の「絵」から始まり、裏表紙の「絵」で終わります(おもて表紙と裏表紙の絵がつながっている絵本もありますが)。私は、裏表紙の「絵」はお話が終わった後の世界だと思っています。裏表紙は「絵」だけで「言葉」はありません。余韻を楽しむためにも、ぜひ裏表紙の「絵」も大切にゆっくり見てほしいと願っています。

 

 絵本一冊を読む時は、短い時間です。お子さまにあたたかなまなざしを向けて「絵本の世界」を楽しむ時をゆっくりとこころゆくまで、心豊かに味わいましょう。

父親として 赤木敏之