~体温調節機能~

2025.10.17

~体温調節機能~

人間は暑い地域、寒い地域と様々なところで広く暮らしています。ヒトはどこにいても深部体温(脳や内臓などの体の中心部の温度)は、大体37℃前後に保たれるようになっています。不思議ですね。

 

 私たちは暑さ寒さを皮膚で感じています。外界の気温を皮膚が感知し、脳にその情報が伝わり、自律神経がはたらいているのです。暑いと感じた時には血流を活発にして、汗をかいて熱を発散しています。逆に寒いと感じた時には血流を滞らせ、毛穴を閉じて、できるだけ熱が逃げないようにしています。体温調節のメカニズムです。

近年は猛暑で、冷房の中で過ごす時間が長くなってきました。この状況は、仕方のないことですが、自分のからだの機能を使って体温調節するよりも、一年中外気温を調節してしまう環境下で育っていることになります。このことは、当然、体温調節機能の作用の経験が少なくなり、その育ちは弱くなってきます。

 自律神経は、心臓や胃や腸の働き、体温調節などを無意識のうちにコントロールしています。いわば自分の意思ではどうにもならないのが自律神経です。

体温調節は、血管の収縮・拡張機能の働きがポイントです。個人差はありますが、幼少期に暑さ、寒さを感じること、そして、ヒトの本来の機能、つまり自律神経を働かせることが大切です。そうすることで自律神経のバランスが発達していきます。

 気温が下がり始める初秋から中秋の移行期に、長袖を着ることは、体温調節のメカニズムから考えると、外界の温度(気温)をキャッチする部分を覆うことになります。そうすることで、ヒト本来の適応と機能が働きにくくなるのです。

 涼しい時、寒い時に体温を維持しないといけない部分は体幹です。体幹部分が冷えないように衣服で覆うことが重要なのです。薄着(半袖)で過ごすことは、免疫系を刺激し、風邪をひきにくくする効果があるとも言われています。

 日中、子どもたちは園庭で遊びます。気温が上がることがありますので、長袖だと汗をかきます。登園時に涼しい場合は、半袖の上に薄手の長袖シャツを羽織り、幼稚園での活動中は半袖で過ごせるようにしてみましょう。

 体調を崩している時は別として、涼しくなる今の時期、元気な時は少しずつ血管の収縮・拡張機能を育てていく着方を試してみてはいかがでしょうか。

 今年も私はできるだけ半袖で頑張ります。

主幹保育教諭として 赤木敏之