~自分で気づく力~
~自分で気づく力~
先日,追悼番組(NHKスペシャル「魂のピアニスト、逝く~フジコ・ヘミング その壮絶の人生~)を視聴しました。
フジコ・ヘミングさんは、幼少期よりお母さまにピアノを習っておられ「機械のように揃えて、機械のように弾きなさい」と常々教えられたようです。
しかしながら「機械みたいに弾いていたら世界のコンクールでは一等になれますよね。何も心がなくてただこうやってね。
そろばんを弾くみたいにやったって、うわっちょこで・・・」とフジコさんは語っておられました。
ただ、お母さまが弾かれるショパンのノクターンは幼いながらに「美しいな」「なんていいんだ」と感じながら聴いていたそうです。
小学生の頃にショパンの曲が弾けるようになると、お母さまの厳しい指導で嫌いだったピアノがとても好きになったとのこと。
フジコさんの奏でるショパンの原点はここにあったのかと、偲びつつCDを聴き返しました。
子どもたちは、言うまでもなく様々なところから影響を受けて成長していきます。
ものの考え方、感じ方は、殆ど子ども本人が自覚するかしないかに関わらず、周りの大人の影響を受け,子どもたちの中に育っていきます。
朝の子どもたちの生活の一場面
「朝ですよ、起きなさーい」⇒『はーい』 「服に着替えるのよ」⇒『いやだ。できない。やって』
「自分でできるでしょ」⇒『できない。おかあさん着せて』
このようなことはないでしょうか?
いつもは出来ている服の着替えでも、甘えたくてしたくない時もあります。そのような時は、「一緒にやってみようか」
「途中まで手伝うから最後の一つは自分でやってごらん」など、手伝っても良いと思います。自分で着てみたり、甘えてしたくない時を繰り返しながら、
身についていくでしょう。
また、このようなお子さまもいるでしょう。
「朝ですよ、起きなさーい」⇒『はーい』 「服に着替えるのよ」⇒『はーい』 「朝ごはんよ。ちゃんと手を洗ってね」⇒『はーい』
「朝ごはん食べ終わった、歯磨きするのよ」⇒『はーい』
お家の方の言うことを素直に聞いているお子さまです。お父さま、お母さの言うことを素直に聞くことはとても大切なことです。
しかし、お家の方の声に合わせて行動しているとも捉えることができます。子どもたちに、自発的にする機会を奪ってはいないでしょうか。
生活の条件、場所が変わった時でも、自分で気づき必要に応じた行動がとれることが大切です。たとえ失敗しても、大人の指示を待つだけではなく
自分でやり直してみようと考えて行動できることが大切です。
「朝ごはんですよ」⇒「手を洗ってね」とは言わずに、ごはんを食べる前には何をしないといけないか自分で気づく機会を作る。
「朝ごはんを食べ終わったら何をするのかな」と具体的な行動の声掛けではなく、子ども自身が気づけるような言葉をかけましょう。
具体的な行動の声をかけて、ロボットのように子どもを動かす大人ではなく、子ども自身が生活をしていくために必要な様々な機会を与えられる
大人でありたいですね。忙しいときこそ深呼吸をして、あたたかなまなざしで子どもの成長を見守っていきましょう。
F I 赤木 敏之