手足を使って
先日、次女と出かけたときに、公園の近くを歩いているとナナホシテントウムシが飛んできました。「幼稚園の帰り道、公園の草むらでテントウムシの卵を探していたね」と。
次女は、テントウムシがどの葉に卵を産み付けるのか考えて探しては、1~2ミリほどの小さなテントウムシの卵や幼虫を捕まえて、ガーゼのお布団の上で育てて、成虫になると逃がすことを、何回も繰り返していました。
「毎日、卵か幼虫を見つけるまで、お母さんはずっと待っていてくれていたわ」と懐かしそうに話していました。
さて、文明の発達により生活が便利になればなるほど体を動かす機会も減りました。また、車社会になり、歩く機会も少なくなったと思います。また、ボタン一つで簡単にできてしまいます。洗濯・掃除・電子レンジ・自動ドア・自動水栓・掃除・エスカレーター・・・・。
幼稚園では、はさみを使って紙を切ったり、のりで貼ったり、セロファンテープを使って引っ付けたり、金づちで釘を打ったり、のこぎりで木材を切ったり、ナフキンをたたんだり、着替えの服を着替えカバンに入れたり、着替をしたりして、手を使っています。
手先、指先を使うこと、特に、はさみを使うときはそうですが、かなり神経を集中させなければなりません。そこには緊張が伴います。このことが次の成長につながるのです。
手先、指先は使えば使うほど、いろいろなことができるようになり、豊かになることを子どもたち自身に体験を通して気づかせていきたいですね。
手先、指先を自由に使えるようになるためには、当然、体全体を動かし、体全体の筋肉を動かすことが大切です。体全体の筋肉の発達がなければ、手先の発達も促されません。歩く、階段をのぼる、走り回ることも必要です。
生活の中で、歩くこと、階段をのぼる場面を見つけてみましょう。洗濯物をたたむ、食膳の準備でお箸、お茶碗を並べるなど、手先、指先を使うことは何があるのか考えてみましょう。
虫探しもそうですね。公園まで歩き、広い場所で、起伏のある場所で、屈んで虫を探し、手先を使って夢中になって虫を捕まえる。
手足を動かし使うことの喜びを感じられるように、あたたかなまなざしを注いで子どもたちにかかわりたいですね。
F I 赤木 敏之